観光させたがりおじさんとの出会い - Day 5

4 月 9 日

豊富温泉タオル

持ってきたタオルが 100 円ショップの安物 x4 なのだが、これがまぁゴミ性能である。安かろう悪かろうだった。

100 % 綿なのはナイスなのだが、布の繊維が非常に取れやすく、お湯からあがって体を拭くと黒い繊維が体に残る。

あんまり良くないなと思い、ふれあいセンターで「タオルありますか?」って聞いてみると「あります」とのこと。
ありがてぇ

350 円で豊富グッズ兼 (少なくとも 100 円のタオルよりは) 性能の良いタオルが手に入ったのでよかった。

おじさんとの出会い

ふれあいセンターの回数券で昼と夜お風呂に入って 1 日 2 回の湯治をしようと思い、今日はお昼からふれあいセンターのお湯に浸かっていた。

入浴中に隣のおじさんから声をかけられる。

「お兄さんはどこから来たのー?」

僕も温泉では割と人に話しかけたくなってしまうタイプやし話したいタイプだが、話しかけられることは割と初めてだった気がする。

「私は東京から。」
プライベートでは一人称は「僕」なのだが、どういうわけか働きだしてから見ず知らずの人への一人称はいつの間にか「私」になってしまった。ちゃんと社会に鍛え上げられている感ある (クソどうでもええ情報すまん)

おじさんとの交流が始まった。というか質問攻めが始まった。

「東京のどの辺?」「荒川区です。」
「仕事は?」「IT 系です。」
「IT 系って何してるの?」「自社サービスを使いたいお客様企業に向けて、どんな感じで商品を使っていただけるかをお客様のシナリオに合わせてご案内しています。職種で言うとコンサルタントですかね。」(ちゃんと説明してえらい)
「湯治?」「そうです。」
etc…
「お兄さんなんかアニメ観るの?」「観ないですね…」

「アニメ」と言う単語が出た瞬間、おじさんの中でスイッチが入った。

今観ているアニメ、次観たいと思っているアニメ、あの声優さんが好き、実はファンなんです、この作品にも出てて、ゲームにもなったのでやってます、実はこっちのアニメの声もしてて…

話を聞くのは嫌ではないが、正直アニメが分からない話を延々と僕にしていて楽しいのだろうかと思いながら話を聞き、相槌を打ちつつ「このおじさんはお話好きで、ずっと話していたいタイプなんだな」などぼんやり思っていた。

時間が来たのであがろうかと思っていたところ「お兄さん、今から一時間くらいドライブ行かない?」

…?

この短時間話しただけの関係でドライブに連れて行ってやろうだと…?それは行く。

なぜこのおじさんは僕をドライブに連れて行きたがっているのか、暇なのか?お金が目当てか?なんやねんと思いつつも「こんな機会できるなんて滅多にない、行け!」と脳が言っているのでお願いすることにした。

カメラを撮りに帰り、おじさん主導のドライブに連れ出してもらった。


ドライブは楽しかった。

最初に、ここから先は何もお店がないどころか自動販売機すらないと言うことなのでコンビニに寄った。

おじさんに倣ってガラナを購入する。ガラナとは北海道限定のコーラのような清涼飲料水。

2 本で 211 円という破格でコンビニにしては安すぎる気がする。

味としては、コーラから甘みを引いて、サラサラ度を増した感じ。すっきり飲める。

第一の目的地として、天然の湧水があるところまで連れて行ってくれた。

水を飲むおじさん。

冷たくて美味しかった。ありがたい。
僕たちの他にも、家用の飲料水を 4 L ほどのボトルに汲みに来ているご家族がいた。

今度は僕がおじさんに質問する時間だ。お仕事をお伺いすると、なんでもおじさんは土木系の方なんだとか。だいたいの北海道の土木関連の話は分かるらしい。(ほんまに?)

なんでも分かると言うことで、道路の端のほうを指している紅白の矢印と、右側に見える謎の簡易ベンチのようなやつについて質問した。

矢印に関しては、雪が道路に積もった時に除雪車が雪除けの目印に使うと言う。縁石がある場合は縁石を、ない場合は車線を指しているらしい。

ベンチに関しては、防雪柵吹き払い方式と言うものらしい (後でググるとこれが正式名称ではないものの、それっぽい画像が出てきた。)
暴風雪地域に設置され、路上に雪が積もらないようにこのベンチのような羽 (伝われ) の角度を調整し、道路から 2 - 5 m ほど上部の風を路面に送り、雪を吹き飛ばすという仕組みらしい。

さすがおじさん。だいたいの北海道の土木関連の話はダテではない模様。

そうこうしている間に第二の目的地であるオロロンラインと言う風力発電がある海沿いまで連れてきてくれた。

豊富への帰路となる 4 Km の直線ルート。これぞ北海道という感じの広さだ。

かすか向こうに利尻富士が見える。

この日は晴れてはいたものの、雲が多く頂上までの姿は見られなかった。

最後の目的地として、サロベツ原野に連れて行ってもらった。

あまりにも広い。北海道にこれてこの景色が見れて満足である。おじさんありがとう。

なお、このおじさんは湯治に来たいろんな人をドライブに連れて行っているらしい。地元民ではない僕のような立場の人間にとっては非常にありがたい存在だ。感謝である。

ブログ書いちゃう?

急に何を書き出したのかコイツは、と思われるかもしれないが、実はこの日記はリアルタイムに書いているものではない。
この 4/9 日の日記は、4/15 日にメモを見ながらこの日の出来事を思い出しながら書いている。(リアルタイムに書けるように追いつきたい (切実))

この豊富温泉という地で湯治をするという体験は自分にとっての財産であり、そして皮膚病に悩まされている多数の人が求めている情報ではないだろうか、というふうに思ったのだ。

実際、僕もある方が Note に綴っている豊富温泉の湯治を中心とした日記を読んでここに来た。(詳細は ABOUT にて!)

残さない手はない。

そんなことを考えながら本ブログを準備し始めた。Note など大手のブログ投稿サービスでも良かったが、謎のこだわりから今の方法に落ち着いた。

湯治 5 日目

今日は昼と夜 2 回の入浴に成功した。(昨日寝ちまったからな)

正直なところ、肌の調子は悪化しているような気がする。

が、豊富温泉のページのどこかに書いてあるのを思い出す。「湯治の始め 1 週間は状態が悪化する事もある」と。

悪くなった、というのは具体的には皮膚が乾燥するのだ。特にお風呂上がりに乾燥し、首と耳の裏、顎などが痛む。どこもここに来る前にステロイドで症状を改善してきたものだ。

湯治を機に、皮膚科の先生からもらったステロイドについては出来るだけ使用をやめたいと思い、どうしても乾燥で痛い時だけ塗っている。

よくなる事を祈りながら、湯治生活を送るしかない。

帰り道の風景。